ゴトウ ヨウコ   Gotoh Yoko
  五嶋 陽子
   所属   神奈川大学  経済学部 経済学科/現代ビジネス学科
    神奈川大学大学院  経済学研究科 経済学専攻(会計・財政コース)
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2009/10
形態種別 大学・研究所等紀要
標題 シャウプ勧告と医療費控除制度
執筆形態 単著
掲載誌名 商経論叢
巻・号・頁 45(1),11-35頁
概要 日本では政府がドッジ的資本蓄積方式あるいはシャウプ的資本蓄積方式のいずれに則するにせよ不可欠な資金調達を租税の賦課で行うという要請から、基礎控除と扶養親族控除では支えきれない消費水準を維持するための装置として、また租税制度を長期的に安定的に積極的に受け入れるようにするための装置の一つとして、シャウプ勧告を受け1950年から医療費控除が導入された。勧告が想定したように最低所得階級の税負担を緩和するという効果は所得税の軽減率と軽減額の分析から確認される。所得控除形式の採用により、所得階級が高くなるにつれて所得税の軽減額が増え、所得の多寡に応じた消費水準の維持を支える。しかし医療費控除の納税者への申告行為への寄与は、扶養親族控除の所得控除化が医療費控除の適用を排除した可能性があり、相対的に限定される。とはいえ当時の医療費負担の重さと所得税軽減額から医療費控除の評価を過小にするものではない。