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サトウ ヒロミ
Sato Hiromi 佐藤 裕美 所属 神奈川大学 外国語学部 英語英文学科 神奈川大学大学院 人文学研究科 欧米言語文化専攻(言語学コース) 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2011/09 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | The Speaker, the Subject and Different Types of Embedded Clauses in Japanese |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 神奈川大学人文研究・神奈川大学人文学会 |
巻・号・頁 | (174),115-155頁 |
概要 | 異なる補文の性質と話者、態度保持者に関わる素性の統語構造における関与を考察する。日本語には、補文でありながら、主文に特有の性質であると通常考えられている発話・伝達のモーダルの生起が見られるものがある。この補文と主文の二重の性質を示すト節は伝達動詞の補部に分布が限られ、これ以外のト節とは性質が異なることを指摘し、発話・伝達のモーダルの生起が可能であるのは、上位節の伝達動詞の主語が態度保持者であるだけでなく「話者」素性を伴うことによることを主張する。本稿の提案は、全てのト節が発話の伝達として分析されるSaito (2010)の提案とは異なるが、ノ節はこれらとはさらに性質を異にするという点では一致し、さらに、ト節が態度保持者の判断・認識に関わるModPの投射を含むForcePであるのに対し、ノ節はModPを含まないFinPであることを主張する。発話・伝達のモーダルが生起するト節であっても、時解釈、人称代名詞の指示に関しては発話全体の話者に依存し、また主文では可能な文末助詞の生起がないことを指摘し、これらのト節の二重の性質、主文との相違が、Forceの素性のうち話者の時と空間に関わる座標軸素性と発話行為に関わる素性が、異なる話者素性によって承認されることによることを主張する。 |