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            セキグチ マサヒデ
            Sekiguchi Masahide 関口 昌秀 所属 神奈川大学 理学部 理学科 神奈川大学大学院 理学研究科 理学専攻 博士前期課程 職種 教授  | 
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| 言語種別 | 日本語 | 
| 発行・発表の年月 | 2006/11 | 
| 形態種別 | 大学・研究所等紀要 | 
| 標題 | 理科教育とSTS教育 | 
| 執筆形態 | 単著 | 
| 掲載誌名 | 神奈川大学経営学部『国際経営論集』 | 
| 巻・号・頁 | (32),81-102頁 | 
| 概要 | 本稿では、STS教育と比較して、理科教育の性格と目的を考察した。STS(Science, Technology, and Society)教育は、科学をめぐる社会問題を分析し教育すること、科学と技術が社会の中で果している機能を教えることである。それに対して、理科教育は、ザイマンの言葉を使えば、「完全カリキュラムというプラトン的理念」に基づいて、最先端の科学に向けて初等教育の基礎からピラミッド的に積み上げていく系統的なカリキュラム構成をとる。現実の理科教育の中に、社会における科学の役割が含まれていないわけではないが、カリキュラムの原理としては区別される必要がある。英国の中等教育向けSTS教科書『科学・技術・社会(STS)を考える』を素材として、STS教育の内容を特徴づけると、単に社会問題を扱うだけでなく、コスモロジーというべき宇宙観を含んだ科学の歴史的記述を含むことである。この点は、わが国に能力STS教育の考え方には弱い。「市民のための科学」と「専門家のための科学」という枠組でみると、STS教育はまず第1に「市民のための科学」として位置づく。ただし、「社会問題を考えることのできる専門家」の養成という点、および「科学政策立案者のための教育」という点では、STS教育は「専門家ための教育」ともいえる性格をもつ。 |