モリタ ヒカル   Morita Hikaru
  森田 光
   所属   神奈川大学  情報学部 システム数理学科
    神奈川大学大学院  工学研究科 工学専攻(情報システム創成領域)
   職種   教授
発表年月日 2024/01/23
発表テーマ 顔タグによる匿名化手法の差分プライバシー安全性評価
発表学会名 2024年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2024), 1B2-2
主催者 電子情報通信学会 情報セキュリティ研究専門委員会
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
開催地名 出島メッセ長崎
開催期間 2024/01/23~2024/01/26
発表者・共同発表者 蒋 程曦(発表者) 、王 天澄 、森田 光
概要 本稿では,プライバシー保護技術としてのデータ匿名化手法を扱う.匿名化されたデータ ベースであっても複数の準識別子を組み合わせれば個人を特定する可能性が残り,k 人未満には絞り込め ないとする k-匿名化技術が提案されている.また,絞り込まれた個人のレコードが同一の属性を持つの なら,例え匿名であってもその属性が漏れるので,絞り込まれたレコードの属性が互いに異なる l− 多様 性も重要視されている.そこで,著者らは,レコードの属性に当たる要配慮情報を顔画像タグ ( 以下顔タ グと呼ぶ ) に置き換えれることを提案してきた.顔タグで属性部分を高次元化すれば,直接検索し難くな る一方,例え同じ要配慮情報であったとしても,顔タグのベースとなる顔画像を異なるものとすれば顔 タグ自体に多様性が与えられるからである.本稿では,顔タグを導入したデータ匿名化手法の安全性評 価について報告する.具体的には,差分プライバシーの観点から評価を行った.顔タグ自体は画像から なる高次情報なので,顔タグを低次のレコードの属性情報に戻したデータベースとオリジナルのデータ ベースとを,差分プライバシーの指標で比較するのである.顔タグの手法を導入した場合,データベー スを提供された側に属性解釈の余地を残し,それが更に多様性を与えるが,ここでは,属性解釈の部分 は機械学習 CNN を利用した.正解値で学習させる解釈なので,暗号における既知平文攻撃に類似した評 価にあたる.すでに統計的な指標では,データベースにおいて元と再解釈された結果は同一傾向にある ことがわかっている.また,定量的な差分プライバシーの ε 分析を現在検証中である.